『PSYCHO-PASS サイコパス』Sinners of the System Case.1

PSYCHO-PASS サイコパス』Sinners of the System Case.1 を観たので、感想を残しておきます。

 

鑑賞日:平成31年2月1日

映画館:池袋シネマサンシャイン

 

評価(5段階):★★★

 

2月1日に鑑賞した時点では、TVシリーズ1期と劇場版は視聴済。2期は未視聴の状態で鑑賞。

その後、本記事作成までに、TV版2期も視聴しました。

 

現時点での考え方とか感じ方を残しておきたいので、表現は選びつつ、思うままに書いていきます。

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ここからネタバレ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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とりあえずOPは神でした。BOOM BOOM SATELLITES中野雅之さんリミックスの「abnormalize」はかっこいいし、映像とのマッチングも抜群。久々にストレートにかっこいいOPを観ました。

 

 ストーリーも悪くなかったですが、敵役が思想犯になり切れていないところが若干の減点ポイントでしょうか。敵役の悪事であるところの、「潜在犯に放射性廃棄物を処理させる」という政策ですが、22世紀の日本において、廃棄物の処理なんてロボットにやらせる仕事では?。農業すら100パーセント無人化されている世界で、放射性廃棄物だけ人間にやらせる意味がよく分かりません。繊細な作業が要求されるからでしょうか。それとも高濃度放射線でチップとかが壊れるからでしょうか(これは防護スーツかぶせればよい気もする)。今回の敵役はシビュラユニットなので(シビュラ全体の意志というよりも、経済担当のシビュラユニットの個人的なやらかし、みたいな感じ?)悪事に合理的な意味がないといけないので、上記ロボットにやらせればいいじゃん問題はちゃんとした説明がほしかった点です(もしかして、見落としてただけで実は説明されていたんでしょうか?)。

 ただ、上記点に説明がついたとしても、今作の敵が思想犯として弱いのは変わりません。今回のサンクチュアリ計画を否定しても現行のシビュラシステムの思想的優位性にはひび一つ入らないからです。今回の陰謀はただ単に、シビュラシステムとそれに基づく隔離・更生制度を目的外の政策に悪用する輩がいただけのこと。しかもその不正は厚生省公安局によってすみやかに発見・摘発されて、首謀者のシビュラユニットはお叱りまで受けている。もし一連の経緯を公開すれば、むしろシビュラシステムの健全性を宣伝するようなものです。今作の霜月美佳があれほど迷いなく行動できるのも、敵役がシビュラシステムの正統性に喧嘩を売るような思想犯では"ない"からです。最後に主犯格のシビュラユニットを叱り飛ばすことまで含めて、今作の霜月美佳の行動はすべてシビュラシステムの権威と健全性を回復するものでありまして、さすがはシビュラの申し子ですね。

 ということで、思想犯としては弱い今作の敵役ですが、その分気楽に観れます。60分の脚本って難しいので、むしろ今作のような敵役の設定は正解だったかもしれません。